ワイヤーハーネス・ケーブルの不良例一覧
ワイヤーハーネス・ケーブルの製造は、その複雑性から手作業によって行われます。加工上のミスなど様々な要因にて電気的な不良は発生し得ます。 不良の現象、原因、流出防止のための検査を一覧にてご紹介いたします。
断線
導通状態がない(検査器の判定抵抗値より低い)ことを断線(オープン)と呼びます。誤配線、端子挿入が不十分、ケーブル切れ、ピン折れ、圧着不良などにより発生します。配線試験にて検知が可能です。
配線試験ができるハーネス検査器を探す 配線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧短絡
意図しない回路と導通していることを短絡(ショート)と呼びます。誤配線、圧接不良によるずれ、端子のカシメ不良によるひげ、はんだブリッジなどにより発生します。配線試験にて検知が可能です。
配線試験ができるハーネス検査器を探す 配線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧誤配線
コネクタへ端子を挿入するハウジング作業などで、誤った配線にて発生するエラーです。2個の端子が入れ替わっている状態は”テレコ”とも呼ばれます。オープンとショート、両方のエラーが検出されます。配線試験にて検知が可能です。
配線試験ができるハーネス検査器を探す 配線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧余剰回路
図面上に存在しない余計な回路がある不良です。空きピンへ余計に配線してしまうという現象は発生し得ます。配線試験にて検知が可能です。治具側では被検査物のピン全て(空きピン含む)に配線し、余剰回路の検出ができる状態としておくことが必須です。
配線試験ができるハーネス検査器を探す 配線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧瞬間断線
衝撃や振動により、瞬間的に断線するエラーです。例えば自動車走行中による振動で、ライトの不灯、音声や映像、通信の途切れを発生させます。端子の半挿入や開き、被覆の未ストリップ、はんだの擬似接触など様々な要因にて発生します。静的な状態では配線試験を合格し得ます。瞬間断線試験にて衝撃下にて瞬断がないかを試験します。
瞬間断線試験ができるハーネス検査器を探す 瞬間断線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧メス端子の開き
圧着端子のメス端子が開いているエラーです。端子の嵌合力が弱くなります。 ケーブルの手直しや、フィクスチャー嵌合時に圧力が加わった場合などに発生します。 端子自体は接触し、静的な状態では導通しているケースはあります。瞬間断線試験にて検知が可能です。
瞬間断線試験ができるハーネス検査器を探す メス端子開きによるハーネスの不良 瞬間断線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧端子の半挿入
端子のハウジング作業が不十分な状態です。ヒューマンエラーにより発生します。 端子が接触していれば導通状態となりますが振動や衝撃などにより瞬断発生したり、端子抜けによる断線が発生します。 瞬間断線試験での検知や、フィクスチャーで適切な圧力を加えることで、端子挿入に問題がないかを確認をすることが可能です。
瞬間断線試験ができるハーネス検査器を探す 半挿入によるハーネスの端子抜け不良 瞬間断線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧圧接不良
フラットケーブルの圧接加工時に発生する不良です。 圧接工具のメンテナンス不足、圧接時にケーブルを正しくセットできていない、 作業者の技術不足などにより、ケーブルがずれて圧接されるケースがあります。 フォークと芯線がずれにより近傍している場合は、異極へ放電する可能性がございます。耐圧試験にて電気的にチェックすることが可能です。
耐圧試験ができるハーネス検査器を探す フラットケーブル加工の不良 耐圧試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧擬似接触
コネクタ端子が正しく嵌合していない状態や、はんだづけが不適切な状態などを総称して擬似接触と呼びます。 半挿入、はんだ不良(イモはんだ、テンプラ)などによって発生します。 かろうじて導通状態である製品を出荷することは非常にリスクが高いです。瞬間断線試験にて瞬断エラーが発生しないか、チェックが可能です。
瞬間断線試験ができるハーネス検査器を探す 瞬間断線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧はんだクラック
はんだにひびが入り、割れている状態です。 導通状態に異常が発生する可能性がございます。配線試験、瞬間断線試験にて電気的チェックが可能です。
瞬間断線試験ができるハーネス検査器を探す はんだ加工によるハーネス不良 瞬間断線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧はんだブリッジ
はんだが隣接しているピンに、橋をかけるように接近、短絡する現象です。はんだ過多や、熱不足が原因となります。 導通状態に異常が発生する可能性がございます。短絡している場合は配線試験にて、接近している場合は耐圧試験にて電気的チェックが可能です。
耐圧試験ができるハーネス検査器を探す はんだ加工によるハーネス不良 耐圧試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧はんだの焦げ オーバーヒート
はんだが加熱されすぎて、表面のつやがなく、焦げている不良です。はんだごての温度を下げる、熱する時間を短くするなどにて対策します。 導通状態に異常が発生する可能性がございます。配線試験、抵抗試験にて電気的チェックが可能です。
抵抗試験ができるハーネス検査器を探す はんだ加工によるハーネス不良 抵抗試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧フラックス残渣
はんだづけの際にフラックスが急激に熱され、飛散した不良です。 目に見えづらく作業者様が飛び散りに気づかない可能性があります。 フラックスによる絶縁性の異常は、絶縁試験にて電気的チェックが可能です。
絶縁試験ができるハーネス検査器を探す はんだ加工によるハーネス不良 絶縁試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧コネクタ内部の異物
コネクタ内部に電線の切れ端やはんだのかすが混入する不良です。 5Sによる作業環境の維持や、工程管理にて混入を防ぐことが基本的な対策となります。 異物を介して、放電現象を発生させる可能性があります。高電圧を用いる耐圧試験にて、電気的チェックが可能です。 異物にて導体が短絡を発生させていれば配線試験にてエラー検知が可能です。
耐圧試験ができるハーネス検査器を探す コネクタの異物混入によるハーネス不良 耐圧試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧芯線のひげ
圧着加工ミスの一つで、芯線の一部が飛び出している状態の不良です。 飛び出したひげが隣接しているピンへ近傍、接触します。 ひげを介して、放電現象を発生させる可能性があります。高電圧を用いる耐圧試験にて、電気的チェックが可能です。 短絡が発生していれば配線試験にてエラー検知が可能です。
耐圧試験ができるハーネス検査器を探す コネクタの異物混入によるハーネス不良 耐圧試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧コネクタ内部の汚染
コネクタ内部にホコリや繊維などが混入する不良です。 5Sによる作業環境の維持や、工程管理にて混入を防ぐことが基本的な対策となります。 汚染物質が吸湿した場合、電流をリークさせ絶縁不良を発生させる可能性があります。 高電圧を用いる絶縁試験にて、電気的チェックが可能です。
絶縁試験ができるハーネス検査器を探す コネクタの汚染によるハーネス不良 絶縁試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧絶縁体の劣化
ケーブルのシースが劣化している状態です。経年や、物理的なダメージ、汚染物質の付着などによって劣化します。 絶縁性に異常が発生する可能性があります。絶縁試験にて電気的チェックが可能です。
絶縁試験ができるハーネス検査器を探す 絶縁試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧マークチューブの誤実装
ケーブルや圧着端子に装着するマークチューブが意図したものと異なる不良です。 電気的なエラーはなくても、後工程での作業ミスなどを誘発するリスクがあります。 ヒューマンエラーを防止するため、サーチ検査を利用可能です。導通チェックと目視検査を同時に行うことで流出を防止可能です。
ハーネス検査器を利用したマークチューブ取付電線色の誤り
ケーブルの色が意図した色と異なる不良です。 電線色には意味があり、電気的なエラーはなくても、後工程での作業ミスなどを誘発するリスクがあります。 ヒューマンエラーにより発生します。サーチ検査を利用し、導通チェックと目視検査を同時に行うことで流出を防止可能です。
ハーネス検査器を利用した電線色の確認未ストリップ
圧着加工のミスの一つで、被覆をむく"ストリッピング"がなされていない状態で端子圧着がされている不良です。 圧着端子のツメが被覆を貫通し、かろうじて導通しているケースもございます。 導通状態がなければ配線試験にて断線として検知が可能です。 かろうじて導通している場合は衝撃や振動を与える瞬間断線試験で流出を防止します。
瞬間断線試験ができるハーネス検査器を探す 電線被覆の未ストリップによるハーネス不良 瞬間断線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧抵抗器
ハーネスに意図した抵抗器の実装がなかったり、型番(抵抗値)が異なっている不良です。 抵抗試験にて、実際の抵抗値を測定することにより部品実装の確認が可能です。 抵抗値の範囲を設定し、その範囲であれば試験合格とします。
抵抗試験ができるハーネス検査器を探す 抵抗試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧ダイオード
ダイオードの意図した向きと逆に取り付けてしまう不良です。 ダイオードの特性の通り、アノード→カソードを導通とし、カソード→アノードを断線という検査データを作成することで、 正しい実装を確認することが可能です。 標準版での配線試験、もしくはダイオード極性を読み取りできるカスタマイズバージョンにて検知が可能です。
配線試験ができるハーネス検査器を探す カスタマイズ版のご相談 配線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧サーミスタ
ハーネスに意図したサーミスタの実装がなかったり、抵抗値が異なる型番が実装されている不良です。 温度管理を行なった上で、抵抗試験にて実装の電気的確認が可能です。 抵抗値の範囲を設定し、その範囲内であれば試験合格とします。
抵抗試験ができるハーネス検査器を探す 抵抗試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧クランプなどの部品実装
自動車ワイヤーハーネスにはクランプと呼ばれるプラスチック締結部品が取付されます。 クランプの未実装や誤実装はもちろん不良としてみなされます。治具板にクランプ用のフィクチャーをつけることで 配線試験にて部品実装有無を電気的検知することが可能です。
配線試験ができるハーネス検査器を探す 自動車業界でのワイヤーハーネス検査 配線試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧ツイストペアのペア割れ
ツイストペアケーブルのペアが異なる不良です。 ツイストペア線にすることでノイズ耐性を高める配線ですが、ペア割れをするとノイズ耐性が損なわれます。 ツイストペアケーブルの結合度検査を行うことにより、ペア割れを検出することが可能です。
カスタマイズ版のご相談湿度
湿度は絶縁抵抗値に大きな影響を与えます。高湿度環境では吸湿した絶縁体の表面をリーク電流が多く流れ絶縁性が低下します。 その場合、対象物の絶縁試験を正しく実施できているとは言えません。 検査器本体・検査治具・被検査物を数時間程度乾燥した環境(目安:湿度50%以下)に放置し、再度試験を行うことで、 本来の絶縁抵抗値の測定が可能です。
絶縁試験ができるハーネス検査器を探す 絶縁試験と湿度 ハーネス不良の動画一覧編組シールドの噛み込み
同軸ケーブルを加工した際に編組シールドを噛み込んでしまう不良です。 編組の折り返し加工や芯線のクリーニングが不完全な場合に発生します。 配線試験、耐圧試験にて電気的チェックが可能です。
耐圧試験ができるハーネス検査器を探す 耐圧試験とは何ですか? ハーネス不良の動画一覧ハーネス検査についてのお問い合わせはこちら