耐圧試験で線長の短いワイヤーハーネスではOKですが同じもので長い線長になるとNGになるのはどうしてですか?
検査・試験の考え方
AC(交流)電圧で耐圧試験を行った場合はこのような現象がおこる可能性があります。
ワイヤーハーネスの電線間には静電容量(コンデンサ成分)が存在します。コンデンサに交流電圧を加えると容量性リアクタンスに従い電流が流れます。電線の静電容量は長さに比例します。また、多芯の方が大きくなります。一般的な耐圧試験器は、リーク電流を検知してNGとしている場合が殆どですので、静電容量によって流れる電流も耐圧NGで流れる電流の区別はつきません。従ってワイヤーハーネスの線長が長くなると製品の耐電圧性能とは別にNGと判定される場合があります。このような状況を避けるには、遮断電流値を高く設定する方法もありますが、あまり高く設定すると本来の耐圧NGを見逃してしまう場合もあります。一番推奨できるのは、静電容量で電流が流れないDC(直流)電圧による耐圧試験になります。